我が名はネロ」あらすじ・感想~ローマの皇帝・暴君ネロがなぜそう呼ばれるようになったのか、安彦良和の奇作を通して読み解いていく!

漫画 

こんにちわ、いのまんです。

機動戦士ガンダムのキャラデザ・作画監督をしていた安彦良和先生が描くローマの皇帝ネロの話です!

皇帝ネロですが、検索キーワード「皇帝 暴君」で検索したらトップに出てくるもっとも有名な暴君なのではないかと思われる皇帝です。

ただ、名前と噂は知っているけどなぜそう呼ばれるようになったのかはわからない人が多いと思います。

僕もそうでした笑

今回のこの作品でその理由がわかりやすく描かれていますが、ちょっとネタバレ有でレビューしていきます!

作者・安彦良和

ジャンル・歴史

巻数・全2巻(完結)

FGOにもネロは出てきますが、あれはちょっとやりすぎですね笑

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あらすじ

紀元54年、前帝・クラウディウスが無くなったことによって養子のネロが16歳の若さで皇帝に即位したところから話は始まっており

元老院を始めとした支持率の低下により反乱・自殺に至るまでを描いた作品です。

善政・悪行・芸術家・親殺しといったネロにかかわる主だった出来事を明瞭完結に、しかし丁寧な描写で描いてます。

ネロ・皇帝即位後の簡単な年表

・54年10月13日 – クラウディウスの死により即位。
・55年 – 義弟ブリタンニクス死去。(殺害?)
・57年 – 元老院属州と皇帝属州を合わせ国庫を一本化する。
・59年 – 母・アグリッピナを殺害。
・62年 – 妻・オクタウィア自殺に追い込む。ポッパエア・サビナと再婚。
・64年 – ローマの大火。その跡地に黄金宮殿(ドムス・アウレア)を建設。
・65年 – 皇帝即位時からの側近、セネカに自殺を命じる。
・68年6月9日 – 反乱を受けて自殺。
 ※Wikipedia参照

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ネロのイメージを決定づけた事

ネロの政策には善政と呼ばれる点と悪行と呼ばれる点がはっきりしている。

善政のネロ

皇帝即位時は、側近哲学者や近衛長官の教えを受けて名君と呼ばれる治世を行ってきた。

特に64年に起こったローマの大火後でネロが陣頭指揮をとり被災者や都市復興の為の政策実行を速やかに行った。

更に当時木造建築がメインだったのを、ローマン・コンクリートと呼ばれる性能の高いコンクリートを普及していく。

この後、さらに貨幣改鋳の政策を行い経済活動の活発化を促した。この貨幣はその後150年受け継がれた。

芸術家のネロ

歌や竪琴・詩が好きで、数千人に及ぶ観衆を集めコンサートを開くのが趣味であったとされている。

青年祭という祭典で演奏したり、5年に一度開かれるネロ祭というのを創設したりした。

当時、ローマの芸術文化よりもギリシャの芸術文化の方が歴史と重みがあるとされておりネロ自身もギリシャへの憧れを抱いていた。

そのため、漫画の描写でもネロが詩を吟じている場面が多々見受けられる。

悪行と呼ばれた行為

やはりネロが悪行と呼ばれた経緯は近親者に対しての死の強要が大部分を占めていると思われる。

年表を見ていただければわかるが、義弟・妻・母という大罪を犯していることが原因である。

また、その要因に関しても私的な理由が多かったと事や自殺させるための罪状を作ったことが悪行の一つとされている。

暴君となった経緯

暴君と呼ばれる原因となったのは、ネロが初めてキリスト教徒を迫害した統治者であるためである。

前出の「ローマの大火」で、漫画上ではネロが放火したのではないかという噂がでたため、キリスト教徒が放火したとという理由で迫害しました。

このような行いが

皇帝ネロ=暴君

というイメージに変えたと考えられており、特にキリスト教文化圏で特にその傾向が強いようです。

漫画を読んだ感想

今まで書いたネロの紹介は調べたものと作品上に出てきたことを極々簡潔に書き上げたものです。

作品の初めの方のネロは、16歳の若さだからイケメンで可愛らしさが残る表現がされておりまだ素直な一面もありました。

ただ、ほんの少しの月日が流れて皇帝の自分に自信がつくと

政治に口出しする母を疎ましくおもったり

王位継承権のある義弟を毒殺したり

妻の奴隷を嫁にすると言い出したり

と良くない方向への自我が強く出てしまいます。

妻や母に対して疑心暗鬼になっているために

また、戦争で奴隷となった青年「レムス」という人間を傍に置いたり奴隷女性を傍に置いたりして信頼できる人間を置こうとしているのが人間臭い所です。

物語中盤からはネロが主人公ではなくなって行きます。

ネロの側近となったレムスの視点か客観的に捉えられていくネロを描いていきます。
レムス視点から見ることによって、ネロの君主として強い部分や弱い部分というような不安定な一面がより伝わりやすくなっております。

特に印象深いのは、ネロが近親者を殺したことによってその者たちの悪夢を見るシーンでレムスを呼んで膝枕してもらうシーンが作者の創作ではあると思うが事実そうだったのではないかと思われるシーンであった。

ネロは政治を行うよりも、芸術を好んだということから統治者としては精神面的に向いていなかったのかな?といった印象でした。

あくまで個人のイメージですので、一つの感想だと思ってくださいね!

じゃあ、したっけね!

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