「ヴラド・ドラクラ」最新5巻を読んだ感想~串刺し公と呼ばれる所以が想像以上にエグかった!

漫画 

こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。

今回は、直近でもレビューした漫画雑誌ハルタで連載中の「ヴラド・ドラクラ」最新4巻を読んだ感想を書いていきます。

大国オスマン帝国と戦争状態のヴラド公率いるワラキア公国!

2万対6万の戦い!

あんなにもバチバチに熱い戦いと冷徹な場面が見れると思いませんでした!

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「ヴラド・ドラクラ」~作品詳細

作者:大窪晶与

出版社:KADOKAWA

ジャンル:歴史

発行巻数:既刊5巻(2021年11月現在)

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「ヴラド・ドラクラ」~あらすじ

ヴラド対メフメト、ヨーロッパ史に残る死闘に決着がつく!

捨て身の焦土作戦を展開し、オスマン軍を弱体化することに成功したヴラド。
しかし、圧倒的戦力差を前に、徐々にワラキアは追い詰められていく。

そしてヴラドは、最後の奇襲をかけることを決意する。
自らオスマン兵に扮装し、単身オスマン陣に潜入。
ヴラドは無謀とも言える作戦を成功させて、瀕死のワラキアを勝利に導けるのか。

“トゥルゴヴィシュテの夜襲”として歴史に残る奇襲作戦を描く第五巻。
ヴラドとメフメト、両雄の意地と策略がぶつかり合う圧巻の戦闘シーンは必見!

「ヴラド・ドラクラ」~感想

君主が前線へと立つ気概に心燃ゆ!

メフメト2世率いるオスマン帝国軍は圧倒的戦力差でヴラド3世が治めるワラキア公国に攻め込んできています。

ゲリラ戦・焦土作戦を用いて抵抗してきて、最後の一手としてオスマン陣営への夜襲をかける事をヴラド公は決意します。

この戦争の中で最も有名な”トゥルゴヴィシュテの戦い”の戦いの幕が開けようとしています。

この時代にの戦は、司令官は本来後方にて指揮をする時代に変わっているのですが、この作戦ではヴラド公は夜襲の為にオスマン陣営の潜入・かく乱作戦を自らの手で行っています。

元々オスマン帝国に人質として捕らわれていた時期があったからこそ、言語の問題等をクリアできるからこそ自分が行うしかないと踏んだのでしょう!

歴史家の文献からもヴラド公が直接前線に立ったと書かれているようなので史実だという事です!

一番危険な場所に、自国の君主が潜入するに士気が上がって当然ですよね!

君主同士の一騎打ち

オスマン帝国兵に成りすまして野営地へと潜入するヴラド公。

兵から給仕係、そして捕虜となった兵たちを救出して火薬庫に火をつけて野営地を混乱させることに成功します。

そのタイミングでワラキア兵がオスマン陣営へとなだれ込み、乱戦となる中でヴラド公はオスマン帝国・皇帝のメフメト2世との一騎打ちが始まりました。

元々旧知の仲で手の内もわかっている間柄、ヴラド公の周りにはオスマン兵が取り囲む中で圧倒的不利の中でも窮鼠猫を嚙むが如く戦いますが、結局は取り囲む兵からの銃撃を受けて撤退を余儀なくされます。

本来ならこの戦でメフメト2世を亡き者にして軍を撤退させることが望みだったでしょうけど、それも叶わず。
しかも退却時、忠臣・チュルニクは弁慶が如くの無双ぶりの末に失う事となります。

この”トゥルゴヴィシュテの戦い”では、ワラキア陣営の被害2千人に対してオスマン帝国は15千人の被害を出した戦。
寡兵のワラキア公国の大大勝利だったと言えます!

「ヴラド・ドラクラ」は難しい中世の物事を、わかりやすく簡潔に描かれている為見事にわかりやすい展開とテンポの良さが魅力の作品ですが、この大一番の戦は5巻の半分以上を消費して烈火苛烈に描かれていて見ごたえ十分でした!

そしてさらに苛烈な出来事が。

「カズィクル・ベイ」串刺し公

ドラキュラの由来となっているヴラド3世。

”トゥルゴヴィシュテの戦い”後、追撃に移るオスマン帝国でしたが進撃した先に待っていたのは串刺しにされた2万人もの先兵隊でした。

この現場を見た事によってメフメト2世始めとした兵たちの士気が下がり撤退する事となります。

有名な異名、ヴラド・ツェペシュのツェペシュは「串刺し公」という日本語訳ですが、この事からその呼び名が定着する事となっています。

ワラキア軍2万人に対してオスマン帝国6万人の圧倒的不利の戦にも関らず、失ったものは大きくとも退けたという事は今までの歴史を見ても凄まじい成果だったと言えます!

この異常とも呼べる出来事ですが、大国オスマン帝国を退けた事から現在のルーマニアでは英雄として扱われており、ルーマニアの歴史を辿る上で重要な人物なのだという事がわかりました!

最後に

オスマン帝国を退けたワラキアですが、代りにヴラドの実弟を差し向けてきています。

疲弊したヴラド政権に変わりの君主を差し向ける。

力ばかりのメフメト2世かと思いましたが、調略も狡猾なえげつない君主だったんですね。。

最後まで読んでいただきありがとうございました。したっけね!

ヴラド・ドラクラ 5巻

ヴラド・ドラクラ 5巻

[著者]大窪晶与

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