漫画「鬼人幻燈抄」3巻感想~甚夜は憎しみと愛情を心に抱えて旅をする

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こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。

今回は、「鬼人幻燈抄」漫画版3巻を読んだ感想を書いていきます。

これから始まる壮大な物語のプロローグが終了しました。

アクションシーンに関しては噂にたがわぬ里見先生の筆力によって禍々しく描かれています。
特に鬼に関しては非常に気味の悪い存在に書かれているのは印象的でした。

総じて鬼という存在は”バケモノ”として描かれていくのだという事がわかりました。細かい点で気になるところはあるけれど物語にさほど影響のない点です。

漫画だと小説を読んで自分で想像できなかった要素が補正してもらえるのがいいです。
鬼の外見は自分じゃ想像できなかったので非常に助かりました!

これから葛野の地を旅立った甚夜は、これから様々人と出会い心の浄化と精神面の成長が促されていきます。
その第一歩となる3巻です。

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「鬼人幻燈抄」漫画版~作品詳細

作者:原作・中西モロオ
   作画・里見侑

出版社:双葉社

ジャンル:和風歴史ファンタジー

発行巻数:既刊3巻(2022年9月現在)

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「鬼人幻燈抄」~あらすじ

匹の鬼の襲来がきっかけとなって、葛野の村の人々は過酷な運命の渦へと飲み込まれることになった。

甚太は復讐心を胸に、鬼神が現れると予言された遥か未来を目指す。

葛野を旅立ち、刀を振るい続けてはや十年、彼は江戸の町で「鬼を斬る夜叉が出る」と噂されるほどの剣士になっていた――
江戸を舞台に、鬼と人の濃密な人間ドラマを描く江戸編が開幕!

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漫画「鬼人幻燈抄」~感想

すれ違ってしまった思い

甚太・白雪・清正、3人とも自分の立場を考えて自分の本音を心の奥底に秘めてしまった事が最大の悲劇の始まりでした。

3巻冒頭、甚太と白雪が所帯を持って仲睦まじく食事をしていましたが、これは一生叶うはずの無かった夢の光景です。
甚太が目覚めた時に、首のない白雪の遺体が横たわっていましたが甚太の虚しさを物語っていました。

もしこの二人がもっと素直に自分たちの想いで行動する事ができれば、夢の中の出来事は現実になっていたはずなんです。
でも二人は”自分”よりも”他人”を尊重してしまう人間です、自分たちの願いは後回しにしています。

そして清正。

白雪への想いを長は知っていたから政略結婚の様な事をしています。
本来はいつきひめは誰と結婚してもいい存在です。それを村長は自分の権力を使って結婚を決めました。

長の息子である清正も、また”想うだけで満足”していた人間です。
甚太の妹・鈴音が兄に抱いていた”想うだけで満足”と同じ感情を、清正は白雪に抱いていました。
「別にお前から白雪を奪いたいなんて思ってなかった」
「傍にいられればよかった」

清正はまだ10代、長に命じられた結婚を跳ね除ける権力も無いです。
だからこそ、白雪に「上手く行きゃ一回で済む」という発言をしているんですよね。
白雪の心を踏みにじってまで結婚する事に罪悪感を感じてしまっている、清正もまた優しい人間です。

3人とも心に本当の願いを抱えていたのに互いに遠慮し合ってた関係で、他人の気持ちを想ったからこその結果となってしまいました。

無から生まれる鬼

葛野の地を出て10年後、甚太は甚夜に名前を変えて江戸の地にいます。
鬼を斬る夜叉が出ると噂が出ているが、それは甚夜の事。

今だったらSNSで情報の拡散も早いけど、スマホも無い時代、しかも街灯も無い時代は怪異は謎に包まれてその謎が怪異を生んでいると呼べるでしょう。

そんな怪異を斬るのが甚夜、そして一発目のエピソードは自分の生家に関する事。

商家・須賀屋の一人娘の護衛。

江戸編の重要人物となる、奈津の登場です。。
初登場は13歳なんですが、もっと可愛く書けなかったかな~、気の強いキャラなのでその雰囲気は出てはいるんですけどね笑

『娘をかえセ』っというセリフと共にドロドロとしてゾンビに近いような気持ち悪い鬼が登場してきます。

鬼が生まれる条件は、鬼同士での交配、鬼と人の交配、そして強い念から生じる鬼です。
人の負の感情が鬼を作り上げます

今回は奈津の不安が生み出した鬼です。

須賀屋の一人娘・奈津は養子。
自分は養子で元いた実子の替わりなのではないかと思う不安が鬼を呼び起こしてしまった。
不安というより望みに近いかもしれません、須賀屋の主人に心から愛してほしいという子供心が呼び起してしまった鬼です。

だから斬り伏せた鬼を見た時に奈津はその鬼に自分の姿を見て「私を愛して」と見えてました。
須賀屋の主人は間違いなく奈津の事を愛しているけど、思春期に差し掛かる少女は実の娘のように自分を育ててくれた重蔵に愛情の確認をしたかったからなんです。
だから素直に愛して欲しいと願えれば鬼は現れないんですが、後は本人次第です。

しかし、少女の愛情確認くらいで鬼が生じるなんて物騒過ぎるお話。
それもそのはず、この鬼は重蔵の妻で甚太の母親、鈴音の母でもあります。
鈴音が生まれたのは、この母親が鬼に犯された事で産まれてしまいその結果命を落としてしまいます。

鈴音が重蔵に酷い扱いを受けていたのは、”鬼に犯されて生まれた子であり、妻の命を奪った存在”だったからですね。

それでも母親は自分のお腹を痛めて生んだ子供、愛して上げてほしかったという願いと奈津の愛してほしいという願いが一致してしまい残留思念のように残っていた母親の鬼が生まれてきてしまったのでしょう。

人それぞれだとは思うけど、どんな形でも自分のお腹を痛めて生んだ子供に愛情を示すのは母親だからです。男には得られない感情です。
その想いを鬼にしてしまうなんて、感情の置き所に悩まされてしまいます。

蕎麦屋・喜兵衛

江戸編の最重要人物・おふうが登場です!

ちょっと幼すぎる感じがしますが、江戸の町娘って雰囲気がとても良いです。
奈津との扱いの差を感じてしまいます笑

最後に

他にも善二や蕎麦屋・喜兵衛の主人が出てきますが、キャラデザが思った以上にあっさりしていましたね。
主要登場人物にしっかりエピソードがあるので、話に負けないキャラ絵となる事を願っています。

ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
したっけね!

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