「吉祥天女」を読んだ感想~BANANA FISHを見た後はこの作品を読むのをおススメしたい!

完結作品

こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。

今回は「BANANA FISH」の作者として有名な吉田秋生先生の「吉祥天女」を読んだ感想を書いていきます。

「BANANA FISH」は男性でも読んで面白い少女漫画で、クライムアクションの漫画として時代を超えて愛される作品となっています。
2018年にもアニメ化されている、若い世代でも知っている方は多いと思います。

そんな吉田秋生先生の作品を何か読もうと思って手に取ったのが、今回の作品。

正直言うと、絵はあまり上手では無いんです。

ただ性、暴力、死、トラウマといった事を問題にしてたイコホラーサスペンス漫画として、かなりエグくて惹きつけられる内容となっています。

「BANANA FISH」との共通点は、少年と青年の間少女と女性の間というように子供なのに大人にならなくてはならなかったアンバランスさが吉田秋生先生の作品のキーポイントだと思います。

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「吉祥天女」~作品詳細

作者:吉田秋生

出版社:小学館

ジャンル:サイコホラーサスペンス

発行巻数:文庫版2巻完結

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「吉祥天女」~あらすじ

昔々、天女が地上に降り来たり、神官の息子と夫婦になったという伝説的な由来をもつ叶家。

叶家の三女、小夜子が街に帰ってきた。
17歳にして妖艶な美貌をもつ「叶小夜子」の周囲で起こる謎の事件。

叶家の財産と彼女自身を狙う陰謀の数々に対し、魔性の女・小夜子が繰り広げるサイコホラーサスペンス。

「吉祥天女」~登場人物

麻井 由似子

本作で読者視点となる人物。

高校2年生で転校してきた小夜子とすぐに友人となる。

小学生の頃に痴漢にあった事で男性恐怖症。

作中で物語の中枢にいる存在ではないが、小夜子と対をなす存在として描かれている。

叶 小夜子

本作主人公。

高校二年の新学期に由以子のクラスに転入してきた。

長い黒髪と切れ長の瞳をもった、誰もが見とれてしまうほどの美貌の持ち主で、瞬く間に学校中の話題になる。

この叶小夜子は、地元の名士である叶家の人間であり、今後その莫大な財産を受け継ぐ存在。

小夜子は見た目の美しさだけでなく、女子高生らしからぬ大人びた行動をとり、クラスメイトからの信頼を獲得していく
しかし、時折見せる魔性の微笑みに、ただならぬ雰囲気と恐怖感が。

遠野 涼

由以子とクラスメートの高校2年。

両親が事故死したため、子供の頃から妹の水絵とともに叔父の遠野家で育てられる。1歳年上の暁とバランスをとるため学校では軟派で通している。

同じクラスに編入してきた小夜子の美貌の中に魔性のものを感じ取る。

「吉祥天女」~感想

叶小夜子という高校生離れした美貌と色気を持ち合わせており、キャラクターデザインも明らかに他の女性陣とは違うように描かれています。

強いて言えば、中国4大美女・楊貴妃・貂蝉・王昭君・西施というような切れ長な瞳の美人です。

良くも悪くも美人という存在は目立つもので、小夜子が転校してきた事によって学内・街の雰囲気は浮足立つようになります。

小夜子を中心に僻みやっかみから始まって、恋愛感情・色欲が渦巻くようになり、彼女にとってマイナスに働く男性たちは何かしらの事件に巻き込まれていきます。

それは小夜子本人が被害を受けそうになった”正当防衛”の場合もあるし、小夜子の不思議な魔力によって”その行動を取らされた”というような感じでした。

魔力と言って超能力とかの類では無くて、話術と妖艶さを混ぜた形のようなものだと思います。

若い世代よりも小夜子と年の離れた存在の方が、小夜子の色香に惑わされている事から若さと色香のギャップがそうさせたのではないかと思われます。

とても曖昧な書き方をしていますが、この作品において小夜子という存在は被害者でもあり加害者でもあるという微妙な立場です。

小夜子の謎めいた魅力については、幼少期のおきた出来事によって身に付いたもので同情すべき点でしかありません。
しかし、そのことによって無理やり大人にさせられてしまい、由以子を始めとした他の同級生たちとは一線を画する雰囲気を身に着けてしまったという事ですね。

本人がなりたくてなったわけではなく、無理やり大人にさせられたというのは「BANANA FISH」のアッシュに通じるものがあります。

読み始めた時、物語全体から何とも言えない不気味な雰囲気が漂っていて文庫1巻を読み終えても拭えない不気味さがサイコホラー感たっぷりで寝食忘れて2巻も読み終えました。

最後に

「BANANA FISH」には爽やかさがあったので、「吉祥天女」は人間の業の深さを感じました。

文庫版で全2巻と決して長い作品では無いのですが濃厚な内容で全2巻以上の充実感を味わえた反面、説明がされていない部分もあって読者の想像掻き立てさせる書かれ方もしています。

少女漫画とは呼べない少女漫画の代表作みたいな作品で、男性女性問わずにおススメできる作品です!

ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。したっけね!

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吉祥天女 1

吉祥天女 1

[著]吉田秋生

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