こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、羅川真理茂先生作「ましろのおと」30巻を読んだ感想です。
※ネタバレ含みます
ユナさん、久々の登場です。
ユナ登場、髪を切ってお姉さん感が更に増しましたね!
恋の病で寝込んでた雪の元に、桜ちゃんとユナさんを交えてご会談。
雪の気持ちの向かう先はどこに伸びているのか。
また売上も知名度も好調に伸びているSTC、メンバーそれぞれに想い描く将来が描かれています。
その筆頭が澤村雪。
内に込める情熱の魂を開放できる場所を探っています。
次の31巻が最終巻となります。
最終巻に向けて最高の締め方となりそうな予感がする30巻です!
「ましろのおと」~作品詳細
作者:羅川真理茂
出版社:講談社
ジャンル:仕事・青春・音楽
発行巻数:既刊30巻(2022年7月現在)
「ましろのおと」~あらすじ
進むべき道を見出した若菜は、アレクセイとタッグを組むことに。
その映像が、若者を中心に世界で流行りだす…!?
一方、桜への好意を指摘され、思い悩む雪。
そんな彼の前に、かつての憧れ“ユナさん”が訪ねてくる。
約2年ぶりの再会に、雪はーー。
「伝承」と「進化」の最新30巻!!
「ましろのおと」~感想
次の31巻で最終巻です!
まとめに入ってきているのがヒシヒシと伝わってきます!
雪の中で湧き出す情熱のような描写はこれまでも何度もありました。
三味線甲子園、弘前大会、STCで弾いた”春暁”と雪がステップアップしていく段階で心の中の大きな滾りが出てきました。
それを三味線甲子園では個人として解放、弘前大会は大河さん含めて人たちと解放、”春暁”はSTCという仲間内で解放。
内に秘めた気持ちを周りの人を巻き込んでいく事、視野を広げて周囲を見て聞かせられるようになっていきました。
きっと最終回は”家族の物語”となるんだと思います。
羅川先生はどの作品でも一貫して”家族”という事をテーマに描かれている作家さん、今回も多分に漏れず若菜を始めとして梅子・神木流絃そして松吾郎、連綿と受け継がれる三味線の魂を描いていくんだろうと感じております。
ユナは”ミューズ”、桜はなに?
30巻は初っ端から桜ちゃんとユナさんとの3人で話し合い・・・と言っても修羅場では無いです。
まず雪は桜ちゃんの事をどう思ってるか?ですよね。
好意がある事は間違いない、だが恋愛に結び付けられるような感情ではないです。
言う事する事がストレートすぎて、小学生が年上のお姉さんに甘えているような雰囲気としか言えないです。
これはタケトに注意されるのも当たり前、タケトは雪のその無意識を理解しているから「ユナの次は桜ちゃんか?」と問いただしてますね。
雪の無垢は、この二人を振り回しているとも言えるから。
「雪くんは周りが思うよりずっと子供のままだよ」
ユナももちろんわかってる。
恋愛感情に近い気持ちを抱きながらも弟みたいな気持ちで接しているのは、雪に対して恋愛は重荷になるのがわかっているんです。
「惹かれているけど傍にいたら共倒れする
そんな危うい彼には帰れる場所が必要
さようなら、そして、これからもよろしくね」
雪の帰れる場所とはユナでは無い、手の届かない女神のような存在がユナなんですよね。
一巻で雪の演奏を聞いて故郷に帰る決断は、逃げるのでは無くてユナにとっての前進でした。
これからの雪とユナは共に前に進むでしょう。適度な距離感を保ちながらより良い方向を向き恋愛感情では無い”信頼”というの絆の関係と呼べる間柄となるんでしょうね。
ただそれじゃあ雪と桜ちゃんはどうなるの?と思う方もいると思います。
やっぱりそれも恋愛関係ではない思う。
桜ちゃんを好きだという雪の気持ちは確かだと思うけど、ちょっと違うんだと思うんです。
今、雪が桜ちゃんに感じている気持ちの大部分は”母性”なんだと思うんです。
東京に来てユナに甘えていた時と何も変わらない。
だからユナは、「前に進もうよ」と言ってますよ。
雪も自分の甘えを理解したのでしょう。
だから雪は桜ちゃんに「傍にずっといる事はできない」と言っています、近い将来巣立つからです。
きっと雪は松吾郎が日本を廻ったように、世界中を廻るんじゃないでしょうか?
だから「ずっといることは出来ない」、けど”桜ちゃん”といることは出来ないって言ってないですからね。
それでも、ユナさんが言う「雪の帰れる場所」は桜ちゃんが用意するんだと思います。
どうゆう形ではっきりさせるのかがすごく楽しみです!
好調STCとは裏腹な雪
STC、海外のストリーミングで好調を維持してフランスでの招待演奏もされる事になって絶好調です。
竹の華の女将からもSTCで演奏した”春暁”も褒められます。
順風満帆にみえるSTCだが、良い事ばかりではありません。
梶は大学卒業が危ぶまれる事から、活動を控えたいと申し出があります。
そして何よりも雪自体が、STCで自分の演奏を抑えるようになってきている事。
大河さんは雪の技術はメンバーの中でも圧倒的に上手いと言ってましたが、読んでる側ではそれはよくわからないです。
あくまでも作中で言われている事。
せつは、自分の演奏を抑えている。
どこか解放する場を探している。
そして、その場はSTCでは無いという事ですね。
やっぱりラストは澤村兄弟でしょ!!
梅子と面識のある有名女性プロデューサー・エルネスタ・ハーンがお忍びで雪達STCの演奏を聞きに来ていました
津軽三味線を聞いてもらい”春暁”という曲のノスタルジーを味わってもらい、世界共通の感情、アメリカではそれをブルース、日本では魂の叫び、生き物はみなが想いを奏でる思い。
津軽三味線ももちろん世界共通のルーツがあるけど、けど音楽をやる人ってそんなに複雑じゃないんだと思います。
評論家が音楽を難しくしてしまうんです。
雪は節目節目で環境を変えながら演奏をステップアップさせてきました。
今STCでいる中で雪は今自分でやりたい事の限界が来ている事はわかりますね。
「暴れたい。」
本当に言葉通りの意味合いだと思います。
いつも突然現れる母・梅子ですが、今回は衝突無し。
素直にSTCの春暁を好きだと言ってくれます。
これまで梅子が雪の演奏で最後まで満足したことがあったでしょうか?
自分が育てたかったというエゴはあったけど、雪が育って嬉しいんでしょう!
「狭い世界に閉じ籠ってた雪はもういねぇ」
雪は音の解放を望んでいます。
そしてその舞台を用意するだけの力が梅子にはあります。
必ず梅子はその望みを叶えてくれるはずです。
最後は若菜と雪の二人の演奏となるでしょうね。
きっと思い出から未来へとつながる演奏となるのかな?
羅川先生は家族をテーマに作品を作る方です。
きっと連綿と続いてきた歴史、そして梅子や若菜・松吾郎に神木流絃、最後に自分が将来返るべき場所に桜ちゃんを選ぶんだと思います!
あくまで想像の範疇。
31巻発売までやきもきしながら待とうと思います!!
最後に
大河さん、巻が進めば進むほどに指導者として魅力的になっていますよね。
竹の華の将来に大河さんが後継者となればいいなって思いますね。
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
したっけね!
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