「ましろのおと」27巻感想~”今”できる技術で雪はあの名曲を叩く

ましろのおと


こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。

今回は、春アニメの原作「ましろのおと」27巻を読んだ感想を書いていきます。

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「ましろのおと」~作品詳細

作者:羅川真理茂

出版社:講談社

ジャンル:仕事・青春・音楽

発行巻数:既刊27巻(2021年3月現在)

前巻のあらすじ

2枚目のアルバムを出したSTCのツアー開始。

レコード会社の宮本さんや、マネージャーの金城さんは1枚目のアルバムより売れている言っているが、売れている手ごたえは無いものの新しいアルバムを引っ提げてのSTCとして2度目のライブツアーが始まる。

一発目はライブレストラン・でのライブ。
桜ちゃんもやってきて朱利や結衣も参加して大盛り上がりだが、なんだか雪が遠くに行ってしまったよう寂しそうにする桜ちゃん。

ライブツアーの最初の目的地の北海道に向かう前に桜ちゃんに挨拶に行ったときに何気なく「おにぎり」と思ってしまった雪。

互いが思う気持ちに変化が生まれているのか?

北海道では最高の演奏ができた達成感を持ち、いざ次の地・青森へ。

青森では、舞や雪のホームの為に多大なる歓迎を受ける。
なぜか宴会のようにたくさんの人が集まっての食事会で、集まった人の一人が神木流絃に対して「跡取りができて良かった」といいますが、それは義理の娘・舞の事ではなく実の息子・雪をさして言った言葉でした。

大きく動揺してしまう舞、波乱の青森ライブとなってしまった。

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「ましろのおと」~27巻あらすじ

STC歓迎会での出来事で心穏やかでは無かった田沼舞はライブでマイクを倒してしまう失敗を犯してしまい、メンバーに謝る舞。

神木流の師範で舞の父である田沼源造に稽古をつけてもらうためにSTCメンバーは田沼家に行くと稽古後に源造は娘の失敗について謝罪をする。

舞が心を乱した原因には、自分の息子である雪に神木流絃の名前を継がせると勘違いさせたせいである事だと伝えて二人と話をすることに。

そして源造は、雪に”春暁”を演奏するように言うと雪は自分は今演奏できる自分なりの”春暁”を源造の前で演奏する。

その演奏は誰が聞いても感心する演奏だった。
雪も自分なりの”春暁”を始めて演奏できたことで新たな一歩を踏み出せると確信へとつながる演奏だった。

そして、雪は満を持してSTCライブで”春暁”を演奏させてほしいとメンバーに伝えます。

そんな折に、雪が作曲した”荒天の調べ”をテーマに映画製作中だったアリョーショ・ヤンコビッチが日本へやってきた。

要件は、映画製作を進めていくうちに”荒天の調べ”の曲のテーマと映画のテーマがマッチしなくなったことに対する報告だった。

その事に対して落ち込みを隠せない金城だが、雪はヤンコビッチに曲が使用できなかった理由を聞いて、掴みかけている”春暁”をライブで聞いてほしいと告げるのだった。

その”春暁”は、雪一人の演奏ではなくSTC全員で演奏する”春暁”。

「ましろのおと」~27巻感想

血のつながらない子供と血のつながった子供

舞が受けた動揺は自分が目標としていた神木流の師範代が、周囲には継ぐと思われておらず雪が後を継ぐことに期待しているという事に動揺しました。

舞の父も、まさか舞が神木流の師範の跡継ぎになりたいと思っている事を考えもしていなかったようです。

神木流はあくまでも流派なので田沼の者が受け継ぐ必要は無く、弟子から指名するのが一般的のようです。

ただ神木流自体には大きな力は無く、基本的には三味線のみでは食べていけない。(舞の父親も農協職員です)

余計なしがらみの方が強い事を自分の経験から知っているからこそ、舞に神木流の師範の後継者として考えなかったのは別におかしい事ではありませんよね。

血が繋がっていない養子でも、子を想う気持ちが変わりません。
荒川とのルームシェアを知った時に、わざわざ東京まで来たことでとても良くわかっていますから。

そして実の息子である雪は、自分が憧れた”松吾郎の三味線”を超える事の出来るすごい三味線奏者となりました。
父親としては、自分の名を使ってでも世に出したい気持ちが出てしまう事も間違いでは無いでしょう。

今まで田沼源造は雪をどうしたいのかわからない描写が多く、雪も舞も振り回してばかりいる自分勝手な人だという印象の人物でした。

しかし27巻では舞には舞、雪には雪の父親としての感情が交わった上で二人と話し合っている姿を見ると、神木流師範・神木流絃も親である前に一人の人間で欲のある人間だという事がわかり、とても暖かい気持ちになれるお話でした。

春暁とは

今期時で度々出てくる”春暁”は、雪のおじいさんが生涯をかけて作曲した即興曲です。

「ましろのおと」にとって”春暁”とは、ダイの大冒険におけるダイの剣だったり、るろうに剣心における逆刃刀のように知る人は知っているが誰しもが扱う事の出来ない存在として”春暁”があります。

青森では知る人ぞ知る三味線奏者だった澤村松悟郎が人生をかけて作った”春暁”
娘の梅子、澤村兄弟にとっても特別な曲だという事は21巻で語られていた。

祖父・松五郎にとっての人生が”春暁”という曲であり、その深みを理解できないものには演奏ができないと考えてきた澤村兄弟。

今までも様々な形で作中ででは披露されてきましたが、あくまでも叩いているだけで満足した自分の形で演奏できているわけではありません
それに一番近かったのは若菜と雪が二人で演奏した”春暁”は曲にはなっていたのかもしれませんが。

祖父・松吾郎は、自分の”春暁”を叩けるなら好きにしろと言っています。

若菜も雪も叩こうとするが、松吾郎の経験・技術に追い付かずにいるために叩けません。
曲として叩くことはできても、感情の乗らない曲になるなら意味が無いという事です。

”春暁”が名曲となったのには曲が素晴らしい事もあるが、それ以上に曲を通して感じられるストーリーが素晴らしかった。
それは松吾郎が人生をかけて作った曲だからこその一曲。

その曲の解釈を、今の自分とどう折り合いをつければいいのかイメージが湧かなかったことが今まで叩けなかった理由でした。
しかし雪が今回、父・神木流絃の前で演奏した”春暁”に関しては流絃が松吾郎を凌駕すると認めるほどの演奏ができています。

今まで経てきた経験から、音にできなかったイメージが明らかに形になった事から雪の成長が伺えるシーンだったと言えます。

だからこそ、STCのライブで”春暁”を演奏させてほしいと雪はお願いしたんでしょう。

STC編もラストスパートをかけてきているように感じられます。

さいごに~ヤンコビッチ監督

雪が作曲した「荒天の調べ」からインスピレーションを受けて、映像化したいと言っていたヤンコビッチだが、

「曲からはインスピレーションを貰えるけど、映像化にはならない」

なんて芸術家特有のよくわからないことを言いますが、雪はその変わりに”春暁”を聞いてほしいヤンコビッチ監督にお願いします。

記憶の扉を開ける雪の音にヤンコビッチ監督がどのような反応をするのかが楽しみです。

ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。したっけね!



ましろのおと 27巻
ましろのおと 27巻

ましろのおと 27巻

[著]羅川真里茂

 

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