今回は、ビックコミックで連載中の「地図にない場所」を読んだ感想を書きます。
表紙の柔らかいタッチの絵が目に入り、タイトルが気になって読みました。
中学1年生の悠人君と、元プロのバレエダンサー・琥珀さんとの交流を描いた作品です。
多分恋愛ではなさそう、自分探しみたな感じでしょう。
まだ、一巻なので今後胴のような展開になるのかが注目です。
「地図にない場所」~作品詳細
作者:安藤ゆき
出版社:小学館
ジャンル:日常・社会
発行巻数:既刊1巻(2021年1月現在)
あらすじ
本作の主人公・悠人は、3人兄弟の真ん中で次男。
兄は優秀な中学・高校に進学して勉強をしなくても学年10番台に入り、弟はイケメンで母親の愛情が全てイケメンの弟に向いています。
そして優秀な兄と同じ私立中学に入ったけど勉強についていけないことが、自分は早熟でこれからの人生を負け組として過ごしていくんだと思い込んでしまいます。
優秀な兄とイケメンの弟に、今後も比較されるという事が彼の劣等感に拍車をかけます。
ある日、悠人の隣に住んでいる親子の母親が亡くなりました。
隣に住んでいる宮本琥珀はプロのバレリーナだったが、足の怪我でバレエダンサーを引退して、しかも母親を亡くしてどん底状態にあるはずだと思い、悠人は会いに行く事とします。
しかし、何度かすれ違った時の宮本琥珀とは全然印象の違う人でした。
終わった人??
「自分よりも終わっている人を見てみたい」
中学一年生らしい利己的な考え方で、悠人は琥珀に会いに行きます。
自分と比較しても劣等感を感じなさそうな人に会いたかったんでしょうね、何となくわかります。
家にいても、無意識に兄や弟と比較してしまうから気が休まらないから似や境遇あるいは自分より劣る人を探してしまったんでしょうね。
ただ、そんな悠人の思惑とは違い琥珀はとても明るい人間でした。
以前エレベーターですれ違った時には挨拶も返してくれないような人だったのに。
悠人からすれば琥珀はかなり謎に包まれています。
バレエをやっていたのは母親の為にやっていた。
天才と呼ばれているけどバレエ以外の事を一切考えずにいたからやれていただけ。
私生活の事は全て他人任せだった。
彼女が今まで人生の全てをバレエに注ぎ込んできた為、他人の一般常識とはかけ離れた志向を持っていました。
部屋がいつまでも片付かない原因は、部屋の片づけ方がわからない。
ご飯も作ることができない。
携帯も持っていない。
悠人が今まで生きてきた上で自分の常識から考えると、琥珀は人間としてダメ人間なはず。非常識人間です!
けれど、琥珀は生活能力がない事に対して悲観的な感情は無く、自分の確固たるアイデンティティを持って生活をしています。
琥珀は自分の事を天才ではないと言いますが、一般常識を捨てる事の出来る人間はやはり天才だと思いますけどね。
地図に無い場所「イヅコ」
そんな変な大人の琥珀が言い出した、変な事。
「イヅコ」と呼ばれる、地図に無い場所って知っている?という話でした。
その事は悠人が小3の時に流行ったもので、さらに言えば3つ上の兄が小4の時にも流行った事で、この土地の都市伝説のようなものでした。
琥珀は「イヅコ」を探し行こうと悠人に提案して、悠人はその提案に乗る事にします。
読んでいて、正直いうと「イヅコ」を探すことになんの意味があるのかが今の所理解できていません。
琥珀が子供の時にできなかった事を30歳になってからやろうとしているとしたら単純すぎると思いますし。
けどタイトルにある、地図に無い場所という言葉を使っている以上何かしらの意味合いはあるんだと思いますが、一巻ではそのとっかかりがつかめません。
中学生にして「人生終わった」と思った悠人と、30歳で「人生これから」と考えている琥珀は実に対照的な二人となっています。
そんな二人が今後書き足していく場所が、地図に無い場所って意味なのかな?って今は考えておきます。
最後に
琥珀のバレエをやっていた経緯は重たい話もありますが、現在の彼女はあくまでも過去の事となっています。
今後、バレエについての話は出てくるでしょうが、その事に関しては全く後悔していてほしくないです。
それと兄弟間じゃなくても、生きていれば劣等感は生まれてくるものだと思います。勉強・運動・仕事etr、たくさんあって自分もよく押しつぶされそうになります。
(直近だと、確定申告の年収見て絶望を感じましたwww)
非常識な琥珀の考え方が、悠人の常識を打ち破ってほしいなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。したっけね!


[著]安藤ゆき

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