鬼でも人でも時代の流れは無情に進む小説版「鬼人幻燈抄 明治編 徒花」5作目感想

小説

こんにちは、歴史と漫画好き。
いのまんです。

今回は、小説版「鬼人幻燈抄 明治編 徒花」を読んだ感想・ネタバレ有りで書いていきます。

こちらは鬼人幻燈抄シリーズの5作目にあたります。

明治編が始まり、まだまだ序章段階。

それでも親友との再会に涙してしまいました。

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「鬼人幻燈抄 明治編 徒花」~作品詳細

作者:中西モトオ

出版社:双葉社

ジャンル:和風ファンタジー

発行巻数」既刊8巻(2021年10月現在)

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「鬼人幻燈抄 明治編 徒花」~あらすじ

明治五年(1872年)。

武士身分の廃止に帯刀の禁止――近代化が進む明治の世は、武士という存在を置き去りにして進みつつあった。

娘の野茉莉とともに京都に移り住んだ甚夜は、昼は蕎麦屋を営みながらも、夜は相も変わらず鬼退治を生業にしていた。

新時代になったものの、鬼の討伐依頼は増え続けるばかり。その陰には、どうやら「マガツメ」なる存在がかかわっているようだが……。
大人気和風ファンタジーシリーズの第五巻。
切なくも美しい時代の徒花たちの物語。

「鬼人幻燈抄 明治編 徒花」~感想

明治に入り、新たな物語が始まる

江戸編が終わり時代は明治へと移り変わりました。

明治5年、明治維新となり甚夜は嘉兵衛の主人から学んだ蕎麦作りを元に京都で蕎麦屋を営みながら鬼退治も行っています。

舞台が江戸から京都に移り変わって、甚夜の生活も一新されているという事ですね。

娘・野茉里も9歳となり小学校に通う歳になり、仲の良い親子の様子がつぶさに描かれています。

剣術を使う鬼・岡田喜一に、”雑念のある剣”と称され、嘉兵衛の店主からは守るべきものを得た剣とも称されています。

さて、この若干軟弱になってしまった甚夜が幸か不幸かどうなるのかが気になります。
以前の陰気な甚夜は江戸に完全に置いてきてしまったという事ですね。

けどそれが甚夜の心を鬼畜にまで落とさなかったという事は「天邪鬼の理」で書かれてましたもんね。
無粋な感想でした。

京都では付喪神使いの秋津染五郎が甚夜の蕎麦屋の常連さんとなり、本人曰く親友らしいです。
飄々とした様子が今の甚夜とマッチしています。

染五郎は怪異の斡旋も行っているようで、その彼が持ってきた怪異の依頼主が兼臣と名乗る少女。

齢16・17歳で容姿端麗だが帯刀・着流しといった女性、以前に出てきた妖刀・夜刀守兼臣を所持している事からか、偽名を用いて兼臣と名乗ってきます。

彼女の依頼は、3条大橋にいる鬼の討伐の助力。

その鬼は少女の養子をしており、武器に鎖を用いてます。
その鎖は行動を封じる鎖で”疾風”と”飛刃”を封印されてしまう事になりますが、互いに攻め手を欠いたことによって痛み分けで決着がついてしまう事に。

そして彼女等は、「マガツメの娘」という事も零していきます。

明治編の序章と呼べるこの段階では、これらの出来事は伏線を張っている段階です。

依頼主・兼臣の存在・マガツメという存在、まだまだ明治編は始まったばかりですね。

武士の世の終幕と廃刀令

明治と言えば武士の支配が終わる時代ですよね。
明治9年、とうとう廃刀令が出されます。

この時期が来たら甚夜はどうするのかと思っていましたが、意外とあっさり帯刀を辞めました。
親バカの甚夜は、野茉莉がいる身で警察のご厄介になるわけにはいかない為に刀を下ろします。

基本的には依頼を受けての討伐ですからね、常に帯刀する必要は無い事は読者としてもわかっているのですが、一抹の寂しさがあるものですね。。

刀を持たない甚夜に昼間から襲ってくる鬼が現れます。

なんというか、予想通り。

秋津染五郎は常連として出てくるのに彼の名前は出てこない。死んでいるならいるで名前の一つは出てくるはずですからね。

鬼の正体は、江戸の土地で甚夜を鬼と知っても友人でいると言ってくれた三浦直次でした。

鬼となったのは鳥羽伏見の戦いで致命傷を負った所で現れた”マガツメの娘”から、鬼になる事を唆されたから。

直次にとっては親友と呼べる甚夜が”鬼”であるため、抵抗なくすんなりと受け入れたようです。

直次は新政府軍で多くの仲間の死を目の当たりにして、新しくできた時代は新政府の要人が肥えるだけの時代となり悲観している様子でした。

命を落としかけて、人の身から鬼となり、しかし時代は誇りであった武士の時代からは遠く離れた新時代へと変化していく。

甚夜は鬼畜に落ちる前に、人に近い心を保てる出来事、蕎麦屋嘉兵衛の日々や娘・野茉莉の存在があったから鬼畜に落ちる事は無かったのでしょう。

しかし直次は、よくなると信じていた政府から裏切られて心を閉ざしてしまった事で人の身よりも鬼の身が前面に出てきてしまったんですね。

時代の変化を駆け抜けることが出来なかった、これもまた切ないお話でした。

直次が京都に行くといった時点で予想していましたからね、鬼となって甚夜と戦うって。

直次の剣の腕はそんなに高くないって言ってましたからね。

予想してたから辛いって事もあるんですね。。

最後に

今回は江戸の親友・三浦直次との辛い死闘もありました。

けど、息抜きパートみたいなところもあって現代で甚夜が通う高校の同級生が明治期の甚夜の元にタイムスリップしてくる話があります!

羽衣伝説・天女伝説を上手く改変させて楽しい話になっているのが良いですね!

ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
したっけね!

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