暴力的な純粋さ、幻想と愛の物語!漫画版「ペルシャの幻術師」最新1巻感想・ネタバレ

その他漫画

こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。

今回は司馬遼太郎のデビュー作をコミカライズした「ペルシャの幻術師」最新1巻の感想を書いていきます。

原作はたった50Pほどの短編なので、コミカライズしたら単巻で完結するのではと思いましたがそんな事ありませんでしたね。

小説に描かれている部分は全て全てが丁寧に描写されていて。
小説に描かれていない点も想像力豊かに描かれていました。

原作の方は物足りない部分もあったので、良い意味で補填されているので原作ファンにもおススメです!

スポンサーリンク

漫画版「ペルシャの幻術師」~作品詳細

作者;原作・司馬遼太郎
   作画・蔵西

出版社:文藝春秋

ジャンル:ファンタジー・戦記

発行巻数:既刊1巻(2021年12月現在)

スポンサーリンク

漫画版「ペルシャの幻術師」~あらすじ

十三世紀、世界を席巻したモンゴル軍の猛攻は、ペルシャにまで至った。

モンゴル軍団を率いる大鷹汗(シンホルハガン)ボルトルは、ペルシャ高原の町メナムに攻めいる。

ボルトルはメナムで美姫・ナンを見初め、自らへの愛を求める。そこに、ボルトルの命を狙う幻術師・アッサムが現れ、ナンを幻惑する――。

漫画版「ペルシャの幻術師」~感想

あの短い小説を、コミカライズ化できると思いませんでした!
しかも、なんとなくイメージつかなかった場面も漫画として読めれば話の前後が繋がります!

これはかなり良いコミカライズだと思いました!

13世紀モンゴル軍が西へ東へ侵略していた時期の話で、日本だと元寇と呼んだ方がわかりが良いモンゴル軍。

昔は匈奴と呼ばれたりもした騎馬民族で、行動範囲がめちゃくちゃ広かったのは中国史が好きな方は馴染深い話だと思います。

物語の舞台は日本とは逆の方の地域、ペルシャ高原の町メナムという国。

モンゴル軍団の大将・大鷹汗(シンホルハガン)ボルトルはメナムの街を攻め込んだ時に逃げ戸惑うナンという美女を発見します。

ナンという女性は西洋と東洋が交わったグラマラスな金髪美人です。

小説を読んでいるときからナンには色気がありましたが、コミカライズ版も儚げな色気がありますね!

儚げなのも納得するはず、この町の住民の命はナン次第なのですから。
ナンを見つけたからこそナムルの町の殺戮は終わり、現在も住める程度には町の原型を留めています。

この美女・ナンにぞっこんなのが、鷹汗(シンホルハガン)ボルトル。

アジア人らしく背も鼻も低い、恥じらいもせずに裸で小さな馬に乗って闊歩しています。

しかもナン目掛けて弓を射りますが、その行動は自分の実力を見せる為の自慢のような行動

小学男子が好きな女の子をイジメるようなものです。

このボルトルは良くも悪くも純粋すぎるんです。

日本と隣国・韓国の常識が違うように、モンゴルと世界の常識は違います。

その事に気が付かず、自分の常識でナンが喜ぶことをしてあげている”つもり”になっているんですよね。

食事一つとるにしても、モンゴル料理は塩振った羊肉。
香辛料も無いため、ただ塩辛いだけでしょうね。

対してナムルの町で出された料理は、様々な趣向が施された料理となっていたのですが、ボルトルは見向きもせずに羊肉を強制するように勧めてきます。

また、ナンの誕生日の時に催された音楽も妖しく牙が抜かれる曲だと言って辞めさせます。

しかも、ナムルの町に攻め込み4千人を殺戮した時にナンを見つけて攻撃を辞めさせた!
ナンの美しさがこの町の5千人の民を救ったんだ!

どの口がそんなこと言うんだ!って感じですが、ボルトルは本気でそう思っているんですよね。

モンゴルは草木が育つ土地では無いので、奪う事で生計を立てている民族なんですよね。
奪う行為はモンゴル人にとって当たり前、普通の事。

だからこそ野蛮としか言えない行為を自慢してくるんです。
乱暴な物事がカッコいいと思っている純粋さゆえの暴力、大鷹汗ボルトルという男なんですね。

土地や環境を超えて変化する価値観が見どころです!

歴史小説家・司馬遼太郎のデビュー作

「ペルシャの幻術師」は学生の時に読んで未だに本棚にあります。

小説では約50ページとかなり短い作品で、正直「坂の上の雲」や「燃えよ剣」といったメジャー作品と比べるとそんなに印象深くない作品なんですよね。

しかも結構抽象的な言葉が多くて、その土地の歴史や言葉を知らなければ物語の情景が浮かびにくくて、”ペルシャの幻術師”よりもその本の中の他の作品の方が面白かった覚えがあります

けどコミカライズされたという事は何かそそられる事情があったんでしょう。

実際に、小説版よりも描写が細やかで政治やキャラクターの思惑が読み取りやすいです!

特に、ナンの喜色ばんだ顔や愁いを帯びた表情。
自分では読み取ることが出来なかった表情の変化が描かれているのが凄いです。

作者様はかなり深堀して読まれたことが伺えて今後も期待大の作品ですね!

最後に

幻術師・アッサムという男。
青いターバンを頭に巻いた人物で、とある人物から大鷹汗ボルトルの暗殺を依頼されます。

小説を読んでいた時はアッサムという人物像がイマイチわからなかったので、この人物の深堀をしてほしいと思っております。

ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
したっけね!

ブログランキングに参加しています。

*応援ポチ、よろしくお願いします!

にほんブログ村 漫画ブログ 漫画感想へ
にほんブログ村

ebookjapan
会員登録【最大6回】漫画が半額で買えるクーポンがもらえる
試し読み約9,000冊の漫画が無料の「読み放題」コーナー
ポイント購入金額に応じてお得なTポイントがたまる
お得なクーポン曜日限定でもらえる限定クーポンなどセールが豊富

まんが王国
会員登録無料(LINEなら最短5秒)
試し読み漫画を一冊まるごと無料で読める「じっくり試し読み」が充実
ポイントポイント購入還元【最大30%】
月額コース特典月額コース登録で豪華な特典あり

コメント

タイトルとURLをコピーしました