「乙嫁語り」14巻を読んだ感想~絵から感じる躍動感に身震いした

漫画 

こんにちは、歴史と漫画好き。
いのまんです。

今回は、森薫先生作の「乙嫁語り」14巻を読んだ感想です。

14巻単行本厚かった気がします、内容が熱かったせいでしょうか?笑

感想書くつもりなかったんですが、今回は自分的に面白すぎた。
これまでの中で、絵はもちろんの事、時代背景からくるストーリーが最高に面白すぎました。

・ロシア帝国の脅威
・中央アジアでの生き残り方
・あの馬、生きているんじゃない!?

いやぁ~凄かった。
どうぞ読んで行ってください。

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「乙嫁語り」~作品詳細

作者:森薫

出版社:KADOKAWA

発行巻数:既刊14巻(2022年10月現在)

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「乙嫁語り」~あらすじ

アミルの兄、アゼルらが冬の草原を駆ける! 新章”馬競べ編”!

中央アジアを舞台に、さまざまな結婚模様を描く『乙嫁語り』。
アミルの兄、アゼルとその仲間たちは、草原の民どうしの結束を果たすために「馬競(うまくら)べ」へ参加することに!

ロシア帝国の脅威

乙嫁語りは19世紀後半、ロシアが帝国としての国家運営をしていた時代。
この時のロシアは”専制君主制”、皇帝をトップに置いて物事を決めていく時代で、作中でもたびたびロシアの脅威にさらされています。
今のロシアを見てもわかるように、武力で事を成そうとするイメージのある国ですね。

なぜロシアが戦争を仕掛けてくるのか?
今も昔も不凍港の確保!

ロシアと言えばユーラシア大陸の北部に位置しており、土地柄的に海も大地も凍りっぱなし。
そうなると輸送は陸路のみ、海軍を保有しても持ち前の海軍力(当時世界3位)生かすことは出来ず、作物を育てる土地も少ない。

経済的にも軍略的にもなんともほしいのが不凍港。
この事が要因で南下政策を取ります。

ちなみにこの頃の日本は明治期、明治と言えば日清・日露戦争が勃発した時代です。。
20世紀初頭(1905年)に起こった日露戦争でもが勃発していますが、この時戦争の動機も肥沃な大地(満洲・関東州)と朝鮮半島支配による不凍港の確保。

14巻を読むうえで、ロシア帝国と中央アジアの関係性をちょっとでも知っているとより興味深く楽しめます。

中央アジアでの生き残り方

今更ですが、中央アジアは中国からヨーロッパに抜けるシルクロードと呼ばれた土地です。
馬を育てる秣もあれば、作物を育てる良質な土地もある。
そして海に面すれば氷の張っていない海。

その土地を狙って南下政策を行ってくるロシアに対抗するために、街で農業をする部族と草原で狩猟しながら生活を営む部族の同盟を行おうとするのが物語の始まり。
そしてその同盟をより強固にするための結婚が今回の流れですね。

こうして書くと一見「あぁ政略結婚か」なんてがっかりするかもしれません。
時代遅れだのなんだの言われそうですが、部族の結婚って家同士の結婚なんですよね。

それでも両家・当人同士、互いに納得した相手と結婚できるのが最高な方法だと思いませんか?
だから今回の「馬較べ」によって、当人・家族・部族の人達も全てを納得させる方法をとっています。

これまでさまざまなキャラや形での結婚模様を描かれてきましたが、今回の結婚までの流れは歴史的にも、またそこに住む人々の営みとしても、とても面白いお話でした!

あの馬、生きているんじゃない!?

誰もが思ったでしょう!?

「あの馬生きてるんじゃない?」

滑るように飛んでいるよう馬郡、漫画って動くんだなって思いました。
何ですかね、絵とは感じられない質量感。
マジで変態レベルの作画です。

特に、アミルがカルルクに”良い馬”の説明しているのですが、普通の漫画だったら馬の全体図を描いて文字を羅列していきます。
そんな事せずに各部位が丁寧に描かれているんです。
おかしい!キチガイです笑

管理人、農大出身なんですが、畜産とかの授業でもあんなに丁寧に教わっていないですよ。
実習先で牛のコンテストで、詳しい事を聞いても応えてくれませんでした。
森薫先生には、農業関連の教科書の作画してほしいくらい!

まあアミルが優しいだけかもしれないですが。

管理人的には、そこまで漫画の絵を重視して読むタイプではないのですが「乙嫁語り」だけは別格です。

アミルの裸体が描かれてましたが誤魔化さないです。
お腹にできる線って描いていても綺麗すぎたりするんですが、アミルの体格・肉付きを考慮して細かな部分まで描かれています。

~~美術館に展示されている芸術作品の様です。

さいごに

作者が自分の趣味の為に描いていると言っても過言では無いです。
掲載がハルタから青騎士に変更となり、月刊から隔月に変わりました。
全く構わないので、じっくりと満足のいくように仕上げてほしいです!

最後までお読みいただきありがとうございました。
したっけね!

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