「光の庭」残された英二に涙が止まらなくなる!「BANANA FISH ANOTHER STORY」感想

完結作品

こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。

今回は、かの名作バナナフィッシュの番外編「BANANA FISH ANOTHER STORY 」を読んだ感想を書いていきます。内容的には単行本19巻に掲載されてもいます。

「BANANA FISH」は完結から24年後の2018年にアニメ化されて、再出版されるほどに根強いファンを持つ作品です!

10年以上前に管理人がTSUTAYA店員だった頃、異常な回転率を誇っていた作品で当時読んだときは少女漫画なのが信じられない作品だと思ったもんです。

海外ドラマのような展開に、女性はもちろん男性が読んでも確実にハマってしまいます!

そんな名作の番外編の感想を今回は「光の庭」に関しての感想を書いていきます書いていきます!

※重大なネタバレを含みますので、本編読まれてからの拝読をお願いいたします。

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「BANANA FISH ANOTHER STORY」~作品詳細

作者:吉田秋生

出版社:小学館

ジャンル:クライム・サスペンス

発行巻数:全1巻

”BANANA FISH”は、吉田秋生先生が『別冊少女コミック』1985年5月号〜1994年4月号で連載されていたクライム・サスペンスです。

1980年代のNYを舞台に”バナナフィッシュ”という薬物を巡り、主人公アッシュと奥村英二が犯罪に巻き込まれていく展開の物語となっています。

「BANANA FISH ANOTHER STORY」では、

ショーターとアッシュの少年刑務所の日々『ANGEL EYES』

ブランカとアッシュが初めて出会い家庭教師となるまでの話を描いた『PRIVATE OPINION』

伊部がIH出場の棒高飛び選手・奥村英二の写真撮る事での出会いを描いた『Fly boy,in the sky』

そしてアッシュが亡き7年後の英二の様子を描いた『光の庭』

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「BANANA FISH ANOTHER STORY」~「光の庭」感想

「BANANA FISH」本編を読んだ人で、この本を手に取った人は間違いなく「光の庭」に心奪われたと言ってもと言っても過言ではないはずだと思います。

本編のラストでアッシュが刺されて亡くなった事にしばらくは信じられずにいて、何度か読み返したくらいでしたから。

読者としてそう感じたのであれば、日本への帰路についていた英二にとってなおさら”アッシュの死”は信じられなかったはずです。

自分的に言えば”アッシュの死”は結末としてそうであるべき”死”だったと思っています。

吉田秋生先生の作品は亡くなった方がいいと思う人物が亡くなって、亡くなってほしくない人物が亡くなってしまう。

アッシュはとても高潔で純粋な部分を持っていたけど汚されてしまい、さらに自分の手で自分を汚したと言えます。

きっと自分の手で罪を犯すというのは、ブランカとの出会いで回避できる可能性もあったのだろうけどゴルツィネの管理下にある事からは回避できませんでしたから。

アッシュと英二は心の奥深い所で繋がっていたのは疑いようのない点ではあるけれど、”住む世界が違う”というアッシュの言葉は正しいです。

英二は日本の普通の学生で、急にマフィアの抗争に巻き込まれるいうような後々PTSDになってもおかしくない出来事。

英二に対して日本に帰るようにアッシュは、英二の事を大事にしているからこそ自分と同じ世界にはいさせてはいけないと感じていたのでしょうね。

ただ、それはアッシュの想い

英二は、日本に帰る前に自分の答えをしっかりと手紙にしたためて帰っていましたからね。

君は1人じゃない
ぼくがそばにいる
ぼくの魂はいつも君とともにある

英二の手紙の最後の言葉です。

だからつらい!

アッシュのいない現実に取り残されてしまう!

アッシュは英二の手紙があったけれど、英二にはアッシュの答えが聞けないんです!

「おぞましいものもなつかしいものもすべてがここにはある・・・と、かつてぼくの友人が言ったことがあります。」

7年間この言葉を背負って生きてきたのかなって。

「BANANA FISH」はフィクションですが、人間関係に関してはとことんリアルに描かれています。

漫画だとキャラクターの考え方が基本見えて、全ての人物が相互的に同じ意思を持った考え方をしているような時があります。

しかし現実世界では相手の考えは分かりません。
伝えられなければわからないし、ましてやいなくなった相手の事はもっとわからないです。

つまり、英二はアッシュの答えを知るのではなくて自分なりの答えを見つけなくてはならなかったはずなのに”ただ憑りつかれていた”という事です。

これまでの英二には、アッシュ以外は感じられなかったはずです。
シンが傍にいたけど、それは対岸にいるくらいの距離感の傍に感じていたのではないしょうか?

シンが持つ罪の意識を知ろうともせずに。

知ってて許すのと、知らずに許すのとでは意味が変わってきます。

シンが言った

「アッシュは死んだ、もうここにはいない、俺は英二に幸せになってほしいのに!!」

このセリフの意味は、その後にアッシュの故郷に言った事でわかりました。

「僕は彼を忘れない
忘れようともしない
でもその事が僕が幸福じゃないという事にはならない」

「彼は一生懸命生きた
その事は僕らが一番よく知っているじゃないか」

「あの奇跡のような”生”と、わずかな間でも一緒に過ごすことができたことを・・・
僕は誇りに思う」

シンは、異母兄がアッシュを指してしまった事を自分の罪だと感じていました。

英二は、その罪を今も感じさせている事が自分犯している罪だと思ったのでしょうね。

圧倒的なまでに生きた証を残したアッシュの事を忘れることはできなかった。

アッシュを救えなかった事が英二にとっての枷となっていた

けれど、今後はアッシュが生きて共にいた時間を自分の糧にしようという事なんだと思います。

それは個展の奥のブースにあるアッシュの写真「夜明け」から感じ取れた自分の感想でした。

本編最後の英二の手紙

アッシュ―――
君の無事な姿が見られないから ぼくは不安でたまらない
君は言ったね “おれたちは住む世界が違う” と―――
でも ほんとうにそうなのかな
ぼくたちは肌の色も目の色も 生まれた国もすべて違う
でも ぼくたちは友達だ
それで十分なんじゃないのかい?
ほかに何か必要なものがあるの?

ぼくはアメリカに来て ほんとによかったと思ってる
いろんな人に会えた そして何より・・・
君という人に会えた

君は何度もぼくに聞いたね “おれが恐ろしいか?”と
でも ぼくは―――
君のことを恐ろしいと思ったことは 一度もないんだ
初めて会った時から
それどころか 君はぼくより ずっと傷ついている
―――そんな気がして しかたなかった
おかしいだろう?
君のほうが ぼくよりずっと頭もいいし
身体も大きく力も強い それなのに ぼくは―――
“君を守らなければ” と ずっと思っていた
“ぼくは何から君を 守りたかったんだろう?”

ぼくは運命から君を守りたかった
君を連れさり 押し流す運命から

君はヘミングウェイの 小説に出てくる豹の話を してくれたね
山の頂で死んだ豹は 自分が戻れないことを知っていたにちがいない と―――
ぼくは答えた
君は豹じゃない 運命は変えることができる―――
そうだよ アッシュ 運命は変えることができるんだ

君は1人じゃない
ぼくがそばにいる
ぼくの魂はいつも君とともにある

最後に

吉田秋生の漫画はどこかに”罪”をキーワードに描かれていると思って読んでいます。

罪との向き合い方の一つを提示されていると思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。したっけね!


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