こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、「賊軍土方歳三」3巻に土方歳三が言ったセリフ「しゃんとしたシャッポがいればよぅ」と言ったシャッポとは何のかを調べてみました。
この記事は、自分が調べた事を整理するための記事でもあるので間違えがありましたら、コメント欄からご指摘いただければ幸いです。
「賊軍 土方歳三」~作品詳細
作者:赤名修
出版社:講談社(イブニング)
ジャンル:歴史・SF
発行巻数:既刊3巻(2021年3月現在)
”シャッポ”とはどうゆう意味なのか?
シャッポとは、フランスから来た防止の事で特につばのある帽子の事を指すようです。
調べてみたらなんてことはない、いのまんの知識不足でした。。
鳥羽伏見の戦いの直後、錦の御旗を掲げた新政府軍を見て怖気づいて逃げ出した徳川慶喜という臆病者を「頭」に据えるのではなく、地位と覚悟を持った人物を頭に据えて戦えば、まだまだ勝機は見いだせるといった土方の考えが元だったのですね。
殿隊長・原田左之助が弁慶立ちで守り抜いた人物
上野・寛永寺、そこには帝の血を引く輪王寺宮がいます。
寛永寺におられる輪王寺宮は、東の土地において帝の血を引く皇族です。
これは実に250年前、徳川幕府を設立した天海僧正が幕府が窮地に陥った際に用意しておいた「秘中の秘」。
幕府に対する者たちが京の帝を奉じた際に、幕府側が賊軍とならないように対抗策として東の帝を奉じることによって対応する。
それこそが輪王寺宮の真の役割だったのであります。
新選組10番隊隊長・原田左之助はその事を知り、未だに戦い続ける土方の元へ「しゃんとしたシャッポ」を送り届けるために最後の死闘を繰り広げました。
左之助の死闘が、各藩のトップが集まっただけの烏合の衆だった奥羽越列藩同盟に確固たる”シャッポ”を掲げられた事は、歴史の引き金を引いたとんでもない偉業と言えるでしょう!
東武天皇説と輪王寺宮
この東武天皇説、あくまでも一つの仮説です。
輪王寺宮が戊辰戦争中の慶応4年に彰義隊に擁立された頃、または奥羽越列藩同盟に迎えられた頃、東武皇帝あるいは東武天皇として皇位に推戴されたという説がある。
というのがWikipedia先生がおしゃっています。
「朝廷」が「東武皇帝」を擁立、元号を「大政」と改めて政府の布陣を定めた名簿が史料として残っている事から「東北朝廷」の存在は確定的であったという見解があります。
更に、その説に信憑性が高めているのが、作中でもあったようにアメリカ公使がアメリカ本国に流した情報「日本には二人の帝がいる」という事がニューヨーク・タイムスでも報じられているとあります。
ただ「東北朝廷」に関しては、現実性を持たない構想上のみのモノであったという主張もあります。
たしかに資料として残っている、東北朝廷の存在を示す「東北朝廷閣僚名簿」の諸史料は、作成された経緯が不明確であると指摘されている事から「東北朝廷」があったと断言できる決定打に掛けるとは思います。
あくまでも構想上の事だった、しかしそこには新たな国を作るというロマンがありますよね。
函館まで戦線を引いても目指した新国家設立の夢を土方歳三は、輪王寺宮を”シャッポ”に掲げて見ていたと思うと心が躍る展開です。
明治以降は陸軍中将にまで昇進
輪王寺宮・能久親王はけっこう破天荒な人物のように感じます。
奥羽越列藩同盟では、軍事面に関しては出家のみの為に指導できないとしていて政治面のみの盟主でした。
この時はまだ20歳の頃で、皇族の立場としてしっかりとした態度を取っていかなくてはならないという自覚があったのでしょう。
しかし、新政府軍に降伏したのちには京都で謹慎中にも関らずイギリス留学を願い出て、結局明治2年にドイツ留学をしています。
この頃、まだ岩倉使節団もまだ留学していない頃なので常識にとらわれない人物だったのかもしれません。
ちなみにドイツ留学時は、ドイツ軍での訓練と陸軍大学校で軍事を学んだようで、明治7年に陸軍少佐に任官しています。好きなようにやっているように見えても将官に任命されるほどなので人望も能力もあったのでしょう。
けど、このドイツでも破天荒ぶりは変わりません。
明治9年にドイツ人の未亡人と突然婚約をして政府より帰国を命じられます。
しかも勝手にドイツの新聞社に婚約を発表して大騒ぎになります。結局は岩倉具視に説得されて婚約解消して2度目の謹慎までしてます。
眞子様の結婚報道を見ればわかるように、皇族の結婚というのは一筋縄にはいかないという事ですね。
破天荒とは言ったものの、ちょっとかわいそうだとも思います。
しかし、その後は職務に励んで明治17年に陸軍少将、明治25年陸軍中将と昇進している所を見ると本当に能力がある方だという事がわかりますね。
またその間に、獨逸学協会の初代総裁、大日本農会の初代総裁にもなっています。
輪王寺宮・能久親王は日清戦争に赴き、現地で悪性のマラリアにかかり、肺炎さらには脳症を併発することになり、命を落とすこととなります。
能久親王の戊辰戦争における奥羽越列藩同盟の総裁という経歴、外地・台湾を征討する途中で倒れた姿は「近代のヤマトタケル」として祭り上げられています。
最後に
様々な皇族たちがいる中でも、このような数奇な人生をたどったのは能久親王くらいでしょう。
調べていて、何度も脱線しては描き直してで楽しかったです。
北方謙三の「黒龍の棺」では、徳川慶喜を”シャッポ”に据えて新たな国を建国するというお話でしたが、皇族が出てくると信憑性がグッと上がりますね。
ただし「賊軍土方歳三」がいくらフィクションでも大本の勝敗を覆すことはしてこないことから、勝海舟や西郷隆盛が日本版南北戦争にしないように動いてくると考えられます。
調べれば調べるほどに4巻が楽しみになってきます。
ではでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。したっけね!
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