「陽だまりの樹」あらすじ・感想~手塚治虫が残したスペクタクル歴史大河、私的NO.1おススメ作品!

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こんにちは、いのまんです。

今回は漫画の神様、手塚治虫先生の「陽だまりの樹」を恐れ多くも取り上げたいと思っています!

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「陽だまりの樹」~作品詳細

作者・手塚治虫

連載期間・1981~86年

ジャンル・歴史(幕末期)

発行巻数・全8巻

イーブックイニシアティブジャパン eBookJapan

上記のサイトで、1冊330円と破格の値段で読めます。

あらすじ

この作品は二人の主人公をに展開していきます。一人は手塚治虫のご先祖様で手塚良庵、もう一人は架空の人物である伊武谷万次郎です。

幕末期だと京都を舞台にすることが多いですが(新選組人気が高いので)、この話は当時からの政治の中心となる江戸が舞台になります。
ペリー来航(黒船来航)後から江戸城無血開城までの話を当時の政治や世相・流行り病を交えて濃厚に描いていきます。

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「陽だまりの樹」~感想

陽だまりの樹は幕末・明治を生きた手塚治虫先生の3代前のご先祖様の記録を元にして独自の取材と調査を行って執筆した作品です。

手塚先生が本来得意のSF要素を抜きにした、壮大で重厚感溢れる歴史大作となっています。

また題名の陽だまりの樹とは見た目は大樹で立派な桜の樹だが、実際はシロアリに食われて中身が腐っている樹の事であり、この樹を例えに幕末期の徳川幕府を現したことを登場人物の藤田東湖が言っています。

二人の主人公

手塚良庵

手塚良晏は江戸の小石川伝通院で蘭方医として町医者をやっています。話し上手で女好きなのが玉に傷ですが、度胸がありいざという時の胆力の持ち主です。

普段はおどけてても、いざという時の啖呵がカッコいい男!

その西洋機雷のお前らさんが結局、西洋医学に助けられたんだぜ!へっ、ざまぁねぇや!

伊武谷万次郎

武士でも下級武士出身である伊武谷万次郎は、親譲りの頑固さと一直線な性格で武士の在り方であることに重きを置いています。

女性は苦手でも、曲げない意思の強さは男が惚れる強い男!

そりゃあ改革は必要だと思うさ。だがお上のお家騒動に巻き込まれるのぁごめんだ・・・

激動と変動の時代

江戸300年が終わりを告げるこの時期は目まぐるしく世間が変動していきます、ただ、変動しているにも関わらずに権力にしがみついて変動させないようにしていく江戸幕府の描き方がとてもリアルに描かれています。

例えばしきたり・賄賂・異人嫌い・蘭方医差別・テロリズム等、今の時代だと理解できないことが往々にしてまかり通りながらも外国の風が吹き込むことによって鎖国時にはありえない速さで変化が要求されている時代です。

現在の縦社会にも通じる権力争闘

高校時代に一度読んで改めてこの歳になってからこの漫画を読んだ時点で思ったのは権力争いと出世争いの描写の多さです。

それに振り回される下級武士の万次郎、上司が変わるたびに配置転換や役職剥奪と何度も出てきます。そして、もちろん付きたくない部署にも配属されることとなります。
しかも万次郎は頑固者で正当な事しかしないものだから、仕事を認められて出世しては権力者が変わるたびに役職を取り上げられてしまいます。

これはほんと普通の会社にいても同じようなことがあるので、何度も虐げられる万次郎を見ると自分と重ねてしまいます。

政治の波にのまれる手塚良庵

良庵は庶民の視点から江戸幕府を見ているように描いてます。

幕府に仕えているだけの武士には言えない世間の本当の評価がここにあるんだと伝えているようで良庵のセリフには実感とリアリティがあります。

女子供は戦争が嫌いなのであります、寺に入ってくれるのならば嫁にも参じます・・・

流行り病とパンデミック

幕末のこの時期は天然痘の予防が方法が外国より伝わってきます、しかしそれは牛の膿を使うということで世間では受けたがる人がいませんでした。

しかし蘭方医はその予防のために種痘所を設けようと奔走し、ようやく江戸にできた種痘所が後の東京大学医学部となって後世に伝わっていると記述があります。

また、コレラの発生もこの時期になり江戸だけ約2万人以上の死者が出たこととその治療に当たった事を鮮明に描かれています。

過去と現在で医療技術が上がっているけれど共通しているのは、迷信と妄言と無自覚者だという事がよくわかりました。

まとめ

陽だまりの樹は手塚先生にしては珍しく劇画チックな感じになっています。もちろん、今の時代の絵柄とは違うので最近の絵をよく読まれる方には少しとっつきにくいところもあるかもしれないですが、ぜひ一度読んでみることを強くお勧めします。

また、幕末の流れってとても掴みにくいです。

例えば三国志だったら劉備、有名なキングダムなら始皇帝、戦国時代なら織田信長といったように一人の人間を軸にすればその時代のある程度の流れは理解できます。

けど幕末ってペリー来航から長くても函館戦争までで期間はそこまで長いわけではないんですが、坂本龍馬・西郷隆盛・勝海舟・新選組・井伊直弼・阿部正弘と主要人物をまとめても一本の話ができない事が幕末の難しさであり、面白さだと思ってます。

難しそうと思わずに読んでみていただけると面白いと思うし、この時代に大いに興味を持てますよ!

したっけね!

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