こんにちは、歴史と漫画好き。いのまんです。
今回は、漫画雑誌ハルタで連載中の「峠鬼」の感想を書いていきたいと思います。
昔々の倭の国を舞台にしたファンタジー漫画、ファンタジー好きはもちろん旅物が好きな方にもかなりおすすめできます。
ストーリー作りもかなり丁寧に作りこまれているので、普段なじみのない言葉もすんなり入ってきます。
「峠鬼」~作品詳細
作者:鶴淵 けんじ
出版社:KADOKAWA
ジャンル:歴史・ファンタジー
発行巻数:既刊3巻
あらすじ
昔々、ずらりと並ぶ大山・小山が谷を埋めるようにして、「倭の国」があった頃、神代と人世のその狭間で神々が人間と共存していた時代。
大小の御山は神様の国であり、人々は世のすべては神様の思し召し次第と信じていた。
その倭の村の一つで、齢12にしてある年の人身御供に選ばれた、孤児の妙(みよ)。
避けられぬ死に密かに怯えていた妙の前にある日、前鬼・後鬼と呼ばれる弟子を従えた高名な行者・役小角(えんのおづの)が現れる。
人々から慕われるも、どこか胡散臭い彼らを信用できない妙だが、神と相対し対話する異能を持つ小角が彼女を窮地から救い出す。
時代や次元さえも超越した、神々を巡る旅が始まる。
各地の神々を巡るお話!
物語の始まりは、とある村で神様の生贄にとなった妙と出会うところから始まります。
12歳から13歳に上がる事は無いと言われていて、自分の将来を諦めていたが、役小角一行が現れて、一つの真実を突きつけられる。
生贄の相手である神様と対峙して、役小角の協力を得て、その先の人生を歩めるようになります。
神様との対峙では、小角や妙達の10倍はありそうな巨体に化物のような鳥たちを従えていたりしている、神というよりも妖怪に近い異形の存在として描かれています。
神が扱っている神器も人知を超えたもので、妙がその神器に触れると今いる世界と違う時空の世界へと飛んでしまう摩訶不思議な力がありました。
ただの昔話のようにしないようにSFチックな演出されていて古代の物語でも古さを感じさせずに、グイグイと世界観に引き込まれていきます。
助かった妙は、小角の弟子となって前鬼と呼ばれた善と共に各土地の神々を巡る旅をすることになります。
日本は八百万の神がいるとされるように、多神教の国です。
土地や物には神が宿るとされるように多くの神様がいますが、その中でも神と呼ぶにはふさわしくない神様もいたりしたとか。
今の所、旅の目的ははっきりしていませんが昔々の日本を感じながらの冒険を楽しみにしています。
役小角って誰?いつの時代のお話??
本作に登場する導士・役小角(えんのおづの)は史実に登場する実在の人物。日本独自の山岳信仰である修験道の開祖とされていて、前鬼と後鬼を弟子にしたといわれているみたいです。
634~704年没となっているので日本の飛鳥時代の人物で、聖徳太子が622年没なので、その時代の人物です。
日本独自の山岳信仰である修験道の開祖と言われていているが、伝説的な(作り話)要素も多いとの事。
ただ伝説になるほどの人物であったことは間違いないようで、鬼神を使役できるほどの法力を持って、夫婦の鬼である前鬼・後鬼を従えています。
作中ではこの法力の力が現代風にアレンジされていて高揚感を生む描写となっています!
最後に
いのまんの住んでいる近くの本屋は、あまり蔵書数が多くないのでたまに大きな本屋で品定めをしてきます。
今回、買ったのが前から購入を検討していた「峠鬼」。
絵、構成、ストーリーと完成度が高くてとても面白かったです。
もっと、いろんな人に読んでもらえるといいなと思える作品でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。したっけね!


[著者]鶴淵けんじ

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