「後宮の鳥」4巻感想~寿雪には目が離すことができない危うさがある

アニメ

こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。

今回は、白川紺子先生の「後宮の鳥」4巻を読んだ感想です。

出る杭は打たれる

孤高であらねばならない烏妃が、人間味を出して後宮の人物と関わりを持つと本当に厄介事が起きてしまう。

4巻では寿雪に直接影響が出ますが、日本人にはなじみ難い宗教がらみの出来事なんで寿雪の不憫さに拍車がかかりましたね。

まだまだ謎が潜まれている第4巻です。

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「後宮の烏」~作品詳細

作者:白川紺子

出版社:集英社

ジャンル:中華ファンタジー

発行巻数:全7巻(2022年6月現在)

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「後宮の烏」~あらすじ

今宵も夜明宮には訪いが絶えない。

泊鶴宮の蚕室で、大切な繭がなくなったという宮女……。

一方、花娘を通じ城内での謎多き失せ物探しも舞い込んで!?

烏妃を頼る者は日に日に増え、守るもののできた寿雪の変化に言いようのない感情を抱く高峻。

やがて二人は真実眠る歴史の深部へ。鍵を握るのは名もなき幽鬼か、あるいは――。

目的がわからないサナメ朝陽

3巻で登場した泊鶴宮・晩霞の生家で賀州を統治するサナメ家、ここの当主となったサナメ朝陽は重要人物でした。
目的がわからないし、悪だくみの匂いがプンプンしてきな臭さしかないです。

京師にやってきて、名目上は賀州特産の蚕種を献上するためにやってきたのですが怪しい動きが多いです。

特に”高峻に対して烏妃の存在への警告””島流しにしたはずの白雷を呼び出す”、この2点だけでも寿雪に危害を及ぼす恐れがある事は丸わかり。

サナメ家が特殊な所は、国よりもサナメ家の安定を重んじる。

つまり国が傾き始めても国の為に働くつもりはない、しかし国が傾かないようにするために国の経済を支えることはする。
二律背反の思想の持ち主です。

鼇の神を崇めていた八真教の教主を務めていた白雷とあからさまに手を組んでいる様子から確実に敵となる存在です。

罪を覆すよりも自分を責める方が楽な世界でいいのか?

寿雪の護衛であり宦官・淡海。
彼が突如後宮で起きた〇人の嫌疑にかけられます。

宦官になる人間は男性器を切り落とされるので世俗からは疎まれる存在となってしまうのですが、宦官になる物にはそれなりに壮絶な理由があります。

温渓は雑技団のような場所にいて、そこでいた少女がお偉いさんに呼ばれて夜の相手をさせられたことにキレて殴った結果宦官にまで落ちてきます。
死刑になるか、宮刑となるかの2択を迫られて辱めを受けても生きる選択をしました。

淡海も似たような経歴で宦官となっています。
元は于州にある名家でだったが没落して、盗賊にまで落ちてしまいます。
ある日盗みに入った家に奴隷いたがその奴隷は自分の従姉で、逃がそうとしたが自害してしまいます。これが淡海が〇人したとされて罪となりました。

この時の経験から罪を抗うよりも認めてしまい自分を責めてしまう方が面倒が無と考えてしまったんですね。

育ちや経験によってその人の対応の仕方は変わりますが、淡海の受け止め方は非常に悲しい過去を感じました。

「お主も助けて欲しいとねがってくれ」
「願ってよいのだ、淡海」

寿雪のこの言葉は、「お前が助けてと言わなければ、こちらも助けてと言いづらい」という気持ちもこもっていたのでしょう。

鳥蓮娘娘は神話の時代の因縁

書庫に現れる幽鬼、彼の目的は自分が書写した書物を探すことでした。
彼が幽鬼となった理由は、前皇帝に無実の罪によって処刑されたことにあります。

彼が書写した書物を探したところ、その書物には

”鼇”
”鳥蓮娘娘”

この二文字が記されていました。

前皇帝がこの幽鬼を処刑したのは、見られたくない書物を見られたことと証拠となる人物を消すこと。
決して後世に残してはいけない書物を彼は書き写してしまいました。
その内容は

「鼇の神、海を裂きて波を興し、鳥蓮娘からはその荒波に苦しまれた」

失われた神話で今から千年前の神々の話です。
千年前に二つの神は争っていたんです。

鼇の神は古き原初の神で巫術師の祖と呼ばれる存在です。
鼇の神は斬り刻まれた大海亀の死体から成ったとされて、別名で白亀と呼ばれる存在で若い娘を贄に求めるとされています。

現在の鼇の神は、サナメ朝陽の所にいる白雷。
彼には隠嬢という少女を従えていますが、この少女が贄としての役割を担そう。

鼇の神と鳥漣娘娘の争いが神話から蘇るのでしょう。

寿雪の危うさ

寿雪は危うい。
自分が安全で強い立場にあると思っているのか、後宮内しか知らない世間知らずなのか、高峻が心配するのも納得の立場です。

衛青が忠告として「身を滅ぼしますよ」と言ってましたが、あまり他人に肩入ればかりしているともう一方から恨みを買ってしまうという意味です。

特別待遇の”烏妃”が、実は人や推しに弱いとなれば良くも悪くも名は広がってしまいます。

そうゆう隙をサナメ朝陽に突かれたのが信仰がらみの出来事です。

寿雪の事を”緇衣娘娘”と信仰して寿雪の偽物の護符が売られます。
偽護符の出所は泊鶴宮で朝陽が関係している事は一目瞭然です。

このように後宮を支配しつつとんでもない権力を持ててしまうのが烏妃の力。

寿雪の中にいる鳥蓮娘娘は半身を失っているという事だが、超常の力を持つ者に対し人は度を過ぎた関心を寄せる者です。

しかも今回は寿雪がらみで起こった後宮でのいざこざ、看過できるものではないです。

「烏妃の傍には誰も置いてはならない」

様々な人と触れ合い表情豊かになってきた寿雪なのに、ここに来てまだ関係を遮断するとなると読者としても寂しい物がありますね。。

朝陽・白雷、早く潰そう。

最後に

初代烏妃が仕掛けた後宮内から出られなくする呪詛結界。

5巻では、この結界を壊して寿雪は外の世界に飛び出ることが出来るのかな?

ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
したっけね!

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