「青に、ふれる。」1巻を読んだ感想・ネタバレ~青い痣を持つ女の子

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こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。

皆さんはコンプレックスってありますか?

大なり小なりあるとは思いますが、この漫画は右目付近に大きな痣のある少女と、人の顔を認識できない男性が、自分の抱えている問題を乗り越えていく、また受け入れていく物語です。

恐らく女性作家だと思いますが(女性作家さんです)、女性作家さん特有の良い意味で心の葛藤が心打たれる内容となっている良作です。

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「青に、ふれる。」~作品詳細

作者:鈴木望

出版社:双葉社

ジャンル:青春・社会

発行巻数:既刊3巻(2021年2月現在)

あらすじ

若葉東高校1年生の青山瑠璃子には、右目の付近に大きな痣がある。

「太田母斑」と呼ばれる先天性による痣だが、瑠璃子は周囲に痣の事で無用な気遣いをさせないように常に明るく笑顔で振るまっている。

同じく、若葉東高校に新卒・神田夜光は見た目はイケメンで女子生徒から人気の高い先生だが、彼には人の顔(自分の顔も)識別ができない相貌失認(そうぼうしつにん)と呼ばれる障害を持っている。

神田先生が人の顔を識別するには、声や服装・アクセサリー等で区別しているが、瑠璃子の事だけは認識できた。

瑠璃子の痣が神田先生にはオーラのように綺麗なものに見えることによって、瑠璃子にとってはそコンプレックスが認識してもらえる唯一の方法だということに戸惑ってしまう。

二人がこれまで心の傷に対して乗り越えてきた物と今後乗り越えなくてはならない壁、また二人の今後の関係はどうなっていくのか?

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瑠璃子の気遣いに甘えてはいけない

主人公の瑠璃子は明るいです。とても明るい。

始め読み始めた時は痣だと気がつかずに、顔にかかる影かなって思うほどに普通の女の子でした。

その振る舞いは親に対しても学校でも普通に接して、痣の事を気にかけさせないように振る舞う瑠璃子の強さに心を打たれました。

けど、彼女の気遣いによって日常が保たれている事に周りは気が付かないでしょうね。

もし自分のクラスや職場に身体的特徴のある方がいたらどう思うでしょうか?

僕なら多分同情してしまいます。

実際に自分が小中時代に話すことができない同級生がいて、どう接していいのかわからなかったのを覚えています。
また、10歳以上年上の従兄妹はサリドマイド薬害事件の被害者でした。

彼らに対して自分は何も声をかけることができません、一緒にいて何をすれば良いのかすら戸惑った覚えがあります。

身体的特徴に触れないように、偏見や差別はしないように慎重に気を使って接していました。

しかし瑠璃子は他人と一緒にいるときに、決して気を遣わせないように努めて明るくしているのが本当にすごい所だと思います。

自分の従兄妹もそうゆうタイプの方で、パソコンの使い方をおしえてもらったりミニ四駆の組立を教えてくれたりしました。

そして、瑠璃子の視野の広さは神田先生の手助けをするのにも役に立ちます。
そこに誰がいるのかわかるようにさりげなくヒントを出していくのは、瑠璃子が常に人に気を使って生きているからこそできる気遣いなんですよね。

ただ、中1の時に気になり男の子による小さな一言がきっかけで中2から中3の時期にかけて不登校となってしまいます

同じような境遇の人達と交流する事によって学校に復帰するが、心の傷は完全には塞がってはおらず痣の事で周囲に同情をされるのを気遣い終始明るくふるまっているが・・・

瑠璃子は明るいです。

しかし彼女が明るいのは気遣いであり、優しさです。

けど彼女の本音は、痣に対してのコンプレックスです

ネガティブな感情が出た時に周囲が見せる、色眼鏡には過敏に反応してしまいます。

彼女が本当の意味で、明るい笑顔を見せてくれるのがいつになるのか?

瑠璃子の笑顔に会いたいです。

相貌失念ってなんだろう?

「顔を見てもその表情の識別が出来ず、誰の顔か解らず、もって個人の識別が出来なくなる症状」※Wikipedia

つまり人の区別が付かない症状の事みたいで神田先生は教師をやっているが生徒それぞれの顔認識できていないです。

実際、初めて会った人をすぐに覚えられない人もいると思うけどそれがひどくなった感じなのかな?って思います。

神田先生は人混みの中で自分すらもわからなくなってしまったりしており、辛いものだとわかっていてもきっとその場にいても気が付いてあげる事は出来ないでしょう。

しかし、その中で顔に痣のある瑠璃子だけは識別できるということが彼にとっての救いになればと思います。

「青に、ふれる。」~まとめ

コンプレックスって言葉一言で片付けてしまいますが、大なり小なり人は持っていますよね

神田先生に対しての感情移入は他の作品よりも強くなってしまいますね。 ぜひ、それと立ち向かう神田先生の姿を描いてほしい! そして勇気を与える作品としてほしいと勝手ながらに思ってしまった次第です!

だからこそ瑠璃子の明るさが漫画全体を暗くさせない太陽のようになっています。

読んでみて想いを共有できたらなって思います。したっけね。

青に、ふれる。 1

青に、ふれる。 1

青に、ふれる。 1

[著]鈴木望

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