「ジャンヌ」~ジャンヌ・ダルクの幻想と戦う者たちと捉われる者たち

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こんにちわ、いのまんです!

FGOでも大人気!安彦良和版ジャンヌ・ダルクの漫画レビューです!

・・・と言いたいのですが、安彦版ジャンヌはだいぶ違います。

ジャンヌ・ダルクの死後から話は始まります。

安彦ワールド全開です!

作者・安彦良和
連載期間・1995~1996年
ジャンル・歴史物
巻数・全3巻(amazonキンドル版1巻)

ジャンヌ (文春デジタル漫画館)

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あらすじ

物語の始まりはジャンヌの死後から9年後の1440年、主人公はエミール・ド・ボードリクールは出自のいざこざからボードリクール卿に引き取られ男子と偽り育てられた。大元帥リッシュモン公に招集された義理の父に代わり、ジャンヌと同様に男装に身を包み、国王の下に向かうところから始まる。シャルル7世を戴冠させるためにジャンヌと共にイギリスと戦ったかつて仲間が、シャルル国王派とルイ王太子派とに別れて争う「プラグリーの乱」。

エミールがかつての「ジャンヌ」の足跡を追いつつ、「ジャンヌ」の人生を追体験してゆくような感覚に仕立て上げられています、エミールは追体験の中でジャンヌの存在感の大きさと、もっと大きな力(奇跡)への畏れのようなものを感じ取っていきます。

シャルル国王の下に馳せ参じるまでの前半、ターニング・ポイントのリッシュモン元帥と合流、ジル・ド・レーやアランソンなどへのいざこざ、宿敵ルイ王太子とのやり取りなどの後半と物語は進んでいきます。

描かれにくいジャンヌ死後の世界

英仏100年戦争の最中に突如と現れた聖女・ジャンヌダルクですが、説明不要なくらいに世界的にも有名な人物ですね。

ただ、ジャンヌが魔女裁判にかけられて処刑された後のフランスって知ってますか?

自分は知らなかったです。そこにアンテナを張ってませんでした!

今回、主人公のエミールを通じてジャンヌの死後の歴史を知れた点は勉強になりました。

死後のジャンヌの存在感

英仏100年戦争でジャンヌが出てくるまでイギリス軍に対して連戦連敗していたフランス軍は陥落寸前まで追い込まれていた。
そのような状況下で、神のお告げを聞いたとされるジャンヌが有名になるのに時間はかからなかったと思います。

エミールが各地を回り、ジャンヌの追体験している状況下で出会う人々は当時魔女扱いで処刑されているはずなのに尊い扱いをしています。

それだけ彼女が特別な存在だったという事ですね。

ジャンヌを読んだ感想

安彦良和先生、相変わらずの文学的漫画の描き方でした。
覚悟して読んだつもりですが、覚悟が足りなかったですね。

ただオールカラーの水彩画の絵はさすがの一言です、しかも当時の服や甲冑の書き込みは画集を見ているようでした。

ただね、安彦先生のあとがきでも書いていたけどジャンヌ・ダルクの話ではないんですよね。やっぱり、残念でした。
ローマ皇帝ネロをただの暴君として終わらせなかった事や体形の変化などの細かい描写にとても興味を惹かれて読んだので。

そして、展開の予測が立たないのも読みにくかった点だと思います。
なんというかオペラのような感じ?歌劇とか、芸術っぽい書き方をされる方なんですよね。

けど、ラストのルイ王太子とのやり取りはとてもおもしろかったです。
※ネタバレです

ルイ王太子に捕まったエミール。
エミールを男だと思っているルイ王太子の妻マルグリットは、この場所から連れ出してくれる条件でここから助け出すと話し実行に移しますがルイ王太子に策略が読まれてしまいます。
マルグリットを唆した魔女としてジャンヌと同じようにエミールを処刑しようとします、外は雨が降り遠くで落雷も響く中、許しを請えば処刑はやめるというルイ王太子ですがエミールは口を開きません。
許しては欲しいと懇願しろ、ジャンヌの力で助かって見せろと圧をかけるルイ王太子。そんな折、処刑上に雷が落ちて処刑場が崩壊されます。
ジャンヌの奇跡として処刑が中止されます。

この場面は、雷の色使いが本当にきれいで話の展開も含めて鳥肌が立ちました。
また、最後のエピローグではジャンヌ・ダルクが聖人となったくだりもあって初めて経緯を知れたのは面白かったですね。

奇跡は使えないただのエミールが、ジャンヌというフランスに奇跡を起こした少女を追体験した物語。
ぜひ、あなたの物語の中へ入りませんか?

じゃあ、したっけね!

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